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幻のマジンガーZ敵ロボット「ガラダK7」のフィギュア!!海を越えてアニメ大好きベルギー人が3Dプリントで再現してみた!!

   

今回はベルギー出身の視覚効果スペシャリスト、マイク・デコニンク氏へのインタビュー。日本のロボット系アニメの大ファンであり、玩具のコレクターでもあるデコニンク氏がi.materialiseの3Dプリントで再現したのは、70年代に発売され、現在はかなり貴重になった「ガラダK7」のオリジナル版フィギュア。数点しか世に出回っていないとされるこのフィギュアは、300万から600万もの値がつくことも珍しくないようです。巨大ロボットへの愛、ガラダK7にかける情熱など、たっぷり語っていただきました!

これは日本中でもっとも謎に満ちた、貴重な玩具のひとつ「ガラダK7」のレプリカ制作にまつわる物語である—

「ガラダK7」。この不思議なおもちゃの謎を解くために、時間を1972年まで戻してみましょう。この年は巨大なロボットの登場するアニメが登場し始めた年。「マジンガーZ」は、まさにその先駆けでした。70年代を代表する漫画家であり、数多くの巨大ロボットマンガ・アニメの父となった永井豪氏によって制作された作品です。

70年代前半のマジンガーZの絶大な人気を受け、バンダイの子会社であるポピー(現在はバンダイと合併)が発売したのが「ジャンボマシンダー」シリーズ。マジンガーZはシリーズの第一弾として発売されました。

ジャンボマシンダーは60cmもある巨大なロボットで、その人気は1973年の「日本おもちゃ大賞」も獲得したほど。以後マジンガーZ以外にも多数のキャラクターがこのシリーズとして発売されています。

ポピーは販売促進のための悪役ロボットを制作し、テレビで放送されたヒーローと悪役の有名な対決を店頭で再現する演出を取り入れました。この展示は当初あくまでもヒーローロボットの販促という扱いだったのですが、悪役ロボットが意外にも人気となり、市場の声に後押しされて商品化。マジンガーZの初回二話に登場する重要なキャラクターである「ガラダK7」は、「仮面ライダーV3」などのキャラと共に「恐怖の悪魔軍団」シリーズ第二弾として登場しました。

アニメのガラダk7

どうしてこの玩具がそんなに特別なのかって?良い質問です。それは長い間、このガラダK7が本当に製造されたのかすら、誰も知らなかったから。

恐怖の悪魔軍団パッケージ

ガラダK7以外のキャラは全て集められたというコレクターはいたようですが、今のようにネットオークションなんて存在しない時代。筋金入りの玩具コレクターは日本中の中古のおもちゃ屋を見てまわり、ガラダK7をなんとか手に入れようとしました。でもガラダK7については、誰もが聞いたことがあるのに、写真すら見たことがなかったのです。

1999年になって、別のバンダイ系列の玩具メーカー、ユニファイブ(現在はバンプレストが子会社化)がマジンガーZオリジナル版レプリカを含む新「ジャンボマシンダー」シリーズを発売。ガラダK7のレプリカもこの新シリーズの一部として後に販売されたのですが、誰も本物を見たことがない故、そのデザインはオリジナル版「恐怖の悪魔軍団」のパッケージをもとに製作されました。箱のイメージ通り、白の胴体に赤の胸、青い手のデザインが採用されています。

ガラダk7レプリカ

オリジナルのガラダK7とされる写真

オリジナルを再現したと言われていたこのレプリカですが、発売の数ヶ月後にコレクターの一人が本物のオリジナルガラダK7とされる写真を発見。しかし不思議だったのは、この写真に写っていたガラダK7が「恐怖の悪魔軍団」のパッケージにあるものと全く違ったこと。全身緑のこのガラダK7は全体のプロポーションだけでなく、腕、足、胸の部分に至るまで、全く違うデザインです。

後に、パッケージの写真にあるガラダK7は初期のプロトタイプだったことが判明。緑のボディをしたガラダK7は実際に製造、流通していた本物と認定されました。その後、2006年に13年以上ガラダK7を探し求めていた有名なアメリカのコレクターがオークションで勝ち取ったもの、バンダイ博物館に保管されているものなど、ほんの数体しか緑色のオリジナルガラダK7は確認されていません。他の「恐怖の悪魔軍団」シリーズのキャラクターはそこまで希少性がないのに対し、なぜガラダK7だけがここまでレアな存在になったのか。どうして箱のイメージと実際のモデルがここまで違うのか。議論は続いていますが誰にも真相は解き明かせていません。

ガラダK7とマジンガーZの戦うCM

「僕はジャンボマシンダーシリーズの大ファンで、特にガラダK7には始めから心を奪われていた。ユニファイブのレプリカが、僕が最初に手にしたジャンボマシンダー。その後はガラダK7の謎をずっと追っているし、70年代のオリジナル玩具もたくさん集めているよ」とマイク・デコニンク氏。数ある70年代のおもちゃの中でも「恐怖の悪魔軍団」のデザインの美しさは見事なんだそう。

3Dプリントで完全再現されたガラダK7

「このシリーズには美学といってもいい統一感があるんだ。真っ直ぐのポーズ、シンプルなデザイン、鮮やかな配色、そして最小限の飾り。でもシンプルさの中にも小さな凝ったディテールがある。それぞれのキャラにね。本物のオリジナルガラダK7を手に入れられる可能性がほぼゼロである今、3Dモデリングや3Dプリントを使って本物に限りなく近いものを作ろうと考えたんだ。」

ベルギー、ルーベン市内に3Dプリントを専門に扱う会社マテリアライズがあると聞いてから、幻のおもちゃを自作するため3Dプリントを試したくてたまらなかったというデコニンク氏。最初のプロジェクトに選んだのは、ジャンボマシンダーシリーズの一つ「ロクロンQ9」のレプリカ。こちらもマジンガーZの敵ロボットで、オリジナル版は手に入れるのが難しいフィギュアです。「ロクロンQ9製作が大成功に終わって、親切なi.materialiseのサポートにも感心したよ。この次のプロジェクトは一番有名なガラダK7にしようと決めたんだ。」

デコニンク氏最初のプロジェクト、ロクロンQ9

写真をもとに、できるだけオリジナルガラダK7に忠実にモデリングをしたというデコニンク氏。再現性を高めるため、いくつかのパーツに分けて造形をしました。

ガラダK7、レンダリング画像

パーツがうまくはまるようにモデリングされたガラダK7

最初に出来上がったのは18cmのミニバージョン。まずは小さめのフィギュアで改善すべき細かい点を確認し、更に本物に近づけていく作業を行いました。

最初に3Dプリントした18cmサイズのガラダK7

その後修正を経ていよいよ大きなモデルの出力へ。大きいモデルもパーツごとに注文したため、造形後にそれぞれのパーツがぴったりはまった時は本当に安心したそう。

造形後、塗装前のパーツ

ボールの飛び出る仕掛けも再現

造形後の仕上げは全て自分で行ったデコニンク氏は、まず積層痕を消して本物のような滑らかな表面にするため手でモデルを磨き、オリジナルに近づけるために各パーツの縁に小さい穴を空けるなどの非常に細かい工夫も。

手の部分の小さい穴、手で空けているんです!

でも問題だったのは塗装。オリジナル版の写真はフラッシュがたかれているもの、薄暗いものなどばかりで色が明確に確認できるものがないため、全ての写真の平均の色を調合するのにかなり苦労したとか。前作のロクロンQ9などは自分で色づけしたデコニンク氏ですが、ガラダK7の塗装にはプロの手を借りて仕上げました。膨大な時間と労力をかけて完成したモデルのクオリティは素晴らしく本物に近い出来に。

塗装前。全体は48cmほどです

この縁についた小さい穴は全て手で空けられたもの!

後ろも抜かりなく

「オリジナル版の胸についているボールが飛び出る仕組みも再現したくて、金属のパーツもi.materialiseで3Dプリントしたよ。他のコレクター仲間の助けも借りて、オリジナルの箱までレプリカを作ったんだ」と語るデコニンク氏。ここまで来たら完璧に仕上げたいという情熱が伝わってきますね。

なんと箱まで手作り

本物さながらに箱に収まるガラダK7

丸一年をかけて、デコニンク氏の手によって蘇った伝説のガラダK7。オリジナル版発売40周年を迎えた去年は盛大にお祝いしたそう。デコニンクさんの他の作品は、こちらでもご覧いただけます。

懐かしのおもちゃをここまで真剣に再現してしまうとは、もはや趣味の領域を越えたプロジェクトですよね。皆さんも今や幻となった懐かしのグッズ、3Dプリントで再現してみては?!

See more at: http://i.materialise.co.jp/blog/entry/1609/#sthash.KvA5M3dJ.dpuf

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