〈◯◯◯をつくる〉から考える、ものづくりの生活化について

      2015/06/04

日本大学藝術学部デザイン学科4年生のスギハラです。
3度目となる今回の投稿は、最近考えている「ものづくりの生活化」について綴らせていただきます。

前回の投稿 –––〈本質を明かす術

生活はつくる行為によって成り立ち、個人の持つ技能を活かして何かのために仕立てる行為を向上心を持つひとは生きる上で必ず行っていると言えます。Fab・Makerムーヴメントなどの活動が日本国内に拡大し始めた現在、過去より多くのひとが意識的につくる行為を取り込んだ生活をおくっています。〈あッ 3Dプリンター屋だッ!!〉をはじめ、開かれたものづくりの場が各地に点在している現状に後押しされ何かつくり始めたというひともいるのではないでしょうか?わたし自身、ものづくりの場に意図して触れてきたことで、社会は驚くほどつくる行為を喚起しているのだという事実を痛感しました。

しかし皆、なぜつくるのか?

理由、原動力となる事柄は多岐に渡り個人的欲求を満たすほんの些細な起因によることもあるので一口に言い表すことは難しく感じています。しかし、つくる行為が民主化されると言われている今、その理由や意味を省みる必要もあるのではないでしょうか。「(ほぼ)なんでもつくる」というFabの理念を見誤りつくる行為が軽んじられる社会へと転落し、良からぬ将来を手招いてはいないでしょうか。

今回は、わたしがこれまでの実体験から得たつくる行為について〈◯◯◯をつくる〉というフレーズに当てはめながら考えてまいりたいと思います。

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まず、私事ではございますが日頃の活動から紹介させていただきます。

西武渋谷店モヴィーダ館7階にある[デジタル加工工房 &Fab]にてアルバイトスタッフとして2014年3月から働かせていただいております。&Fab(アンドファブ)とは、「自分でつくるカスタマイズ工房」をコンセプトに、LoFt・無印良品で購入した商品をオリジナルにアレンジすることができる店舗です。データ作成、デジタルファブリケーション機器を用いた加工工程、完成までを店舗スタッフと共に体験していただけます。

併設している店内にて売っている商品—ペン、スマートフォンケース、食器やフォトスタンドなどほぼすべての既製品へ文字彫刻やイラスト、写真のプリントが可能ですので、普段使いの名刺ケースにご自身の名入れをしたり、両親へのプレゼントとしてツーショット写真を側面にプリントしたペアマグカップをつくることができます。どこにでも売っている量産品が、自身のちょっとした手間隙を掛けることによって世にたったひとつの作品へ変身する、そんな場所です。

&Fabで加工する素材には、上記の通りもとから価値があります。ここでのスタッフの役目は、お客さんが商品の中から見つけた余地にアイデアと思いを付加する作業の、技術面でのサポートです。PCでのデータ作成、デジタルファブリケーション機器の操作はもちろん、加工アイデア出しのお手伝いもします。お客さんの抱く付加したい思いをデータに変換する—&Fabで見出した、新しい〈つくる〉です。

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以前レポート課題で記述した経験もある[D&DEPARTMENT PROJECT]についてです。『ロングライフをテーマに、暮らしや観光をデザインの視点で見つめ直す』ことを掲げ、家具や雑貨を販売する店舗とカフェを拠点に営むセレクトショップです。

ここでの取り組みのひとつに[リサイクル・ショッピングバッグ]があります。使用済みの他店で使われたショッピングバッグをお客さんから集め[D&D]ガムテープを貼り、D&DEPARTMENTのショップバッグとして買い物をした商品の包装として使うという仕組みで、全店舗で取り組まれている活動です。

真新しい品を綺麗な袋に包んで貰うという現代の買い物においての当たり前を再構築する取り組みだと感じました。更に、この仕組みがビジネスとは直結しないという点から、デザイナーであるナガオカケンメイ氏の意志を静かに感じることができます。環境問題への意識の高まる時代の変化とそこに生きる人々の思いを組み、社会活動として今後の標準を〈つくる〉取り組みであると思います。

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去る2015年3月6日、品川のCreative Loungeにて開催されたイベント [TOKYO FABBERS’ MEETING♯5 〈 FABは通用するのか FABコミュニティの未来予想図を描く編〉]へ参加させていただきました。

2015年からオリンピックを経た10年後の2025年までの年表を《自分》《社会》の二つの軸で構想し会場全員のポストイットで埋めていき、それらをグルーピングして浮かび上がったトピックと現在のデータを元に既に行政から公表されている情報を重ね合わせ、答え合わせをしていくように参加者全員でビジョンを共有していくような内容で進行していきました。

TOKYO FABBERSの取り組みのゴールは《FAB》という言葉が無くなること、つまりつくることが料理のように日々の当たり前となることかと思います。しかしそれは「誰もがつくることができる世の中」という事では無く、「つくるということを知っている社会」というビジョンであるという事を、多くの人が認識する意義があると感じました。ひとの技能、ツールの技術、前述の&Fabのような場所で加工工程の所要時間などを知ることによって、日々手にするものに感じる恩恵や注ぐ愛着も増すことでしょう。その上で「明日からの自分に何が出来るか」と言う事を考えると、生き方・働き方すらも変化するはずです。こういった展望を共有しながら〈つくる〉行為は、無い未来を語り合う姿より現実的で真摯なひとの取り組みだと思います。

–––––

わたしの考える「ものづくりの生活化」とは、以上の〈◯◯◯をつくる〉で述べたようなつくる行為の一般化の先、生きるため—お金を得ること、社会生活を営むための手段です。個人の生活から着想を得て問題解決・提起をすること、趣味や特技を派生・飛躍させてものごとを生むことが生計を立てることに何らかのかたちで結びつく働き方、これからのひとつの社会構想が考えられるのではないかと思いました。

つくる行為によって生み出されるのは、触ることのできるものだけではないという事実。実際に身体を動かしてものづくりをなさっている方々は必ず知っているはずです。この行為のなかで生まれる本当のコミュニケーションや何よりの楽しさを、これからも真摯に考えていくつもりです。

そして、この様な考え方の発表の場としてMaker Faire Tokyo 2015に出展致します!

有志メンバーがこれまで取り組んできた成果報告や、ものづくりに携わるゲストをお招きして今後の展望も発表できればと思っております。同じく出展される方、来場予定の方、どうぞ宜しくお願い致します。会場でお会いしましょう!

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 - Re-manufacturing

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