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ポルシェ博士の戦車typ245_010(Porsche Typ 245_010 Leichter Panzerkampfwagen mit5.5 cm vollautomatischer Waffe)を作る その2

      2015/05/07

こんにちは、模型製作が計画倒れで終わることの多い米屋辰五郎です。前回は、ポルシェ博士が設計し、実際に生産された戦車の紹介で終わりましたが、今回からは、ポルシェ博士が設計しながら実際には作られなかった、いわゆるペーパープランに終わった計画戦車の製作に入りたいと思います。ペーパープランというのは、当時の生産環境と政治状況はもとより、プランそのものが机上の空論であったり、無茶な要求を含ませたりと様々な事情でボツになったものでありますが、逆に実際に作られたらどうであったかと想像を掻き立てられます。

1.今回使用した資料について。

PANZER TRACTS No20-1

出典 http://www.panzertracts.com/
ISBN-10: 097084073X
ISBN-13: 978-0970840738

今回使用した資料本は、第二次大戦時のドイツ軍の計画戦車を集めたPANZER TRACTS No20-1 Paper Panzersです。シリーズ通して、詳しい車両の設計図と解説が掲載されてます。特に設計図は戦車模型の標準スケール35分の1で掲載されているのが、模型製作の際には有難い本です。因みに、35分の1スケールは、タミヤ模型から生まれました。単二電池2本とモーターがパンサー戦車に収まるサイズがこのスケールだったそうです。

本書をパラパラと眺めていくと、様々な思惑で計画されてはボツになって消えていった装甲戦闘車両達が掲載されており、どれもこれも何とか敵より強い攻撃力、強固な防御力を確保しようという当時の人達の意思が伝わって来る思いがします。

その中で、やはり異彩を放つのがポルシェ博士の手による戦車です。本書にはポルシェ博士による4種類のユニークな車両が掲載されてまして、どれも立体にしてみたい形状をしてます。

porcheTyp245010

今回は、本書12ページから掲載の、Porsche Typ 245_010 Leichter Panzerkampfwagen mit5.5 cm vollautomatischer Waffe を製作することにしました。丸っこくてデフォルメしたような形状が、戦闘車両っぽくないところに魅かれたからです。日本語にすると、5.5㎝完全自動砲搭載ポルシェ245_010型軽戦車でしょうか。

2.製作開始。

IMG_3116

先ずは図面をコピーして、解説の記述を確認しながら、寸法などをノギスで測って書き込んで行きました。そうしている内に、頭の中に立体物が浮かんできます。そして、どう分割するのが良いかを、あれこれと考えてみます。戦車は、結構、単純かもしれません。基本的に、キャタピラ+転輪、車体、砲塔で成り立っています。先ずは、車体から製作することにしました。先に車体を製作し、これを基に、キャタピラ+転輪、砲塔を微調整した方が楽そうです。

3.車体の基本形状を製作。

では、車体の製作に入りたいと思います。今回、CADソフトは、Autodesk Fusion360を使ってみました。本格的に使うのは初めてですが、いつも使っている123Ddesignからの移行ならば、直感的に弄って何とか形は出来る感じです。ただ、それでFusion360の機能をちゃんと使っているかは甚だ疑問な段階です。今回、Fusion360については、たぶん誤った操作ばかりなので、ご了承下さい。

Snap_2015-4-28_20-52-31_No-00

車体は、上下2分割としました。これは、3Dプリントを考慮して、なるべくサポート材を使用せず、また造形に失敗しない形状にするためです。最初の一歩は、基本的な立方体から始めます。基本形状は、左右対称なので、半分のモデリングで済ませて、あとでMirror機能を使えば大丈夫そうです。左は、後で側面に転輪を取り付けることになる車体下部、右が砲塔を設置する車体上部になります。ところで、使ってみるとFusion360は、SKETCHの操作性が良いですね。

Snap_2015-4-25_13-51-29_No-00

この形状から、傾斜部分を作っていきます。解説文から、傾斜角度は、前面上部55度、下部30度、両側面28度、後部上部62度、下部25度です。上の図は、車体上部にDRAFT機能で傾斜面を作っているところです。MODIFY→DRAFTで傾斜角度を入力して、簡単に作れました。

Snap_2015-4-28_21-39-41_No-00

側面ですが、ちょっと事情が異なります。下に向かった傾斜の終わりから垂直面になってます。そこで、傾斜の始まる上の部分にLINE(SKETCH→Line)を引き、Plane at angle(CONSTRUCT→Plane at angle)で28度のPlaneを作成し、Split Body(MODIFY→Split Body)で切り離しました。スマートなやり方では無いかもしれません。とにかく、形を作ることを優先に進ませて頂きます。

Snap_2015-4-25_15-39-56_No-00

これで前後と側面の傾斜面を作り終えました。Mirrorで左側を作れば、車体上部の基本形状は完成しますが、まだ左右対称の部分があるので、まだこの状態のまま進めます。

4.車体の基本形状に加工。

Snap_2015-4-25_17-14-3_No-00Snap_2015-4-25_17-14-28_No-00Snap_2015-4-25_20-1-54_No-00Snap_2015-4-25_17-18-23_No-00

砲塔を載せる部分の円形部分(ターレットリング)を作ります。車両上部の天井部分に、CircleをSketchしてからExtrudeを繰り返して、リングを作成していきます。123Ddesignと操作は同じですね。最後にChamfer機能(MODIFY→Chamfer)を使い傾斜を作りました。

Snap_2015-4-25_22-30-3_No-00 Snap_2015-4-25_22-34-10_No-00次に、エンジンルームの上部、エア・インテーク部を作ります。上部車体の天井面の後方にSketchで長方形を作成し、Rectangular pattern(Sketch→Rectangular pattern)でコピーしていきます。

Snap_2015-4-25_22-35-46_No-00実際は、青い部分は貫通しているはずです。今の段階では、深さ3㎜の長方形の穴を作っておきます。下の部分を中空にして、穴の開いた板を別パーツにするという手も考えられます。後々、改良出来ればと思います。

Snap_2015-4-25_22-44-12_No-00

別パーツにすることも考えて、穴の周りに0.5㎜の厚みを持たせておきました。

Snap_2015-4-25_23-17-19_No-00

Snap_2015-4-25_23-16-28_No-00

後部のハッチは、0.3㎜の溝を作って表現しました。次は、ハッチに取り付けるヒンジを作ります。図面からは、ヒンジが取り付けられる場所が判るだけで、ヒンジの形状は判明しません。車種ごとに異なるのが通常なので、このヒンジもオリジナルな物が使われたであろうと思われます。という訳で、他の車両に付いているヒンジを参考にしながら、作ることにします。

Snap_Autodesk Fusion 360 Ultimate_2015-4-26_0-45-53_No-00

Snap_Autodesk Fusion 360 Ultimate_2015-4-26_0-48-28_No-00

Snap_Autodesk Fusion 360 Ultimate_2015-4-26_0-51-57_No-00

Snap_Autodesk Fusion 360 Ultimate_2015-4-26_0-53-9_No-00

先ずは基本形状を作ってから、FilletとChanfer(MODIFY→Fillet,Chanfer)を使って、それらしく形を作って行きました。このパーツも左右対称なので、半分作ってからMirrorで完了です。

Snap_Autodesk Fusion 360 Ultimate_2015-4-26_1-26-23_No-00

作ったヒンジをハッチに取り付けます。123Ddesignで別々のパーツを取り付ける場合、位置合わせが結構厄介でした。この点、Fusion360は、Moveでポイントを指定すれば、狙った場所に難無く移動してくれます。大変便利ですね。

Snap_2015-4-25_21-44-57_No-00車体下部との連結がずれないように、L字の溝を作って置きます。

Snap_2015-4-26_1-30-18_No-00
最後に、Mirror機能を使って、反対側にコピーします。断面にPlateを作って(CONSTRUCT→Plane Through two edge)、Mirror(CREATE→Mirror)。これで車体上部は、80%ほど完成しました。

Snap_2015-4-25_23-48-4_No-00車体の下部も、作っておきます。車体上部と連結するための突起も設けてます。但しこのパーツは、後で転輪を取り付けるので、まだ加工が必要です。今回はここまでとします。

5.車体全体が斜めな訳。

2015-4-26_1-40-4_No-00

作成した車体の上下を連結してみました。前も後も側面も斜めで構成されてます。なぜこんな形をしているのか?

簡単に言いますと、同じ厚みの板に砲弾が当たった場合、垂直面よりも傾斜した面の方が、砲弾を弾き易く、貫通し難くなります。避弾経始という概念です。前の方に書いた、傾斜角度がそれに当たります。前面装甲が55度だったり、側面が28度だったりするのは、装甲の厚みとの兼ね合いで決定されている訳です。この概念を具現化した傾斜装甲を持つ旧ソ連のT34という戦車が登場してから、旧ドイツ軍の戦車も劣勢になりました。そのため、1号戦車から4号戦車と6号タイガー1(5号より設計開始は早かった)は垂直面で構成されていましたが、5号パンサーから傾斜装甲を採用しています。

戦車のプラモデルを作っている時は、角度の具体的な数値までは意識しませんが、CADでのモデリングだと、細かい数値まで記憶にこびり付きまして、思わず語りたくなります。果たして良い事なのか??

次回は、砲塔を製作する予定です。

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