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《メディコン通信》VRセミナーというイベントがあった気がするなあ

      2017/06/30

こんにちは、学部は文系のMiokaです。

さいんこさいんたんじぇんと辺りで数学とは仲良くなるのを諦めました。

理系の最前線、ICT業界の斬り込み隊長ことVRは、今全方位から熱視線を送られる存在となっています。

VR、イケてますよねえ。HMDがまずカッコいい。メガネ型もかなりクール。

HMDを装着した先にはVR、つまりもう一つの世界が広がっていて、魔法のような力を使ったり、デザインをインタラクティブにおこなったり…想像するだけでSF魂が燃えますね。

同じ校舎内にICT系の学部があるので、そちら側の講演も潜入したりしているのですが、文系だから…と引け目があって、どっぷりハマるのをためらっていました。

そんな私におあつらえ向きのセミナーが、遥か昔3月にICTCOで開かれました。

「VR/AR/MRの未来~VR/AR/MRの発展とそれが生み出すコンテンツの新潮流~」と題し、その道のトップランナーを3人お呼びしました。

まずレポの前に前提知識の確認を。

VR/AR/MRの意味は、

VR: Virtual Reality(仮想現実)

現実ではないが、人工的に作られた、実質的・機能的に存在する空間のこと

AR: Augmented Reaity(拡張現実)

人が知覚する現実が、ICTによって加工された空間のこと

MR: Mixed Reality(複合現実)

現実空間と仮想空間が融合し、仮想空間上の情報が、現実の物理的な影響を受けた空間のこと

となります。

 

4Dブレイン代表取締役・秋山貴彦さんが、「テクノロジーとコンテンツの相互発展とAR/VR」と題し、口火を切っていただきました。

絵画の歴史を例に見ると分かりやすいですが、ざっくり言うと技術の発展というのは、「作ったモノをなるべく現実に近づけたい」という欲求を燃料に進んできました。

作られたモノが、現実に近ければ近いだけ価値がある。

例えば絵画は額縁の中という、作る側と見る側の共有空間を定義し、この中で描かれたモノの不自然さを出来るだけゼロに近づけます。

パースが取れていなくても、等身がおかしくても、描かれた世界が「額縁の中で現実らしい」ものであれば、美しいと感じます。

このように見ていくと、どんな「技術」と名の付くものも、根っこのところで”理想の世界を再現したい”という思いを共有しています。

VRは、その思いを、より直接的に実現する最新の技術というわけです。

秋山さんは、イラストレーター、CGクリエイターなどを経て、現在4DブレインでVR業界を進んでおられます。

秋山さんが監督したCG映画、「HINOKIO」は、引きこもりの少年がロボットを通じて外界と交流するという話。

これが2005年の作品ということからも、VR/AR/MRは、既に十分身近なものになり得ます。

その中で、VRをどのようにビジネスに繋げていくか?

エンタテインメントが、それぞれの家庭に当たり前にあるようになり、映画・ゲームは家でやることになりましたが、VRはどうやって人を外に連れ出せるのか。

この、「どうVRを使うのか?」という命題は、VRに関わる業界の方に限らず、ともすれば逆にそれ以外の業界の方に対し、非常に大きなものです。

秋山さんは、VRセラピーやコンサートのVR化、夢の追体験技術など、魅力的な選択肢を示して、このお話を終えました。

 

次にお話いただいたのは、TVアサヒからお越しいただいた阿部さん。

テレ朝では毎年夏にイベントをおこなっていますが、2014年からViirtual Attractionを導入しました。

六本木を舞台にしたレーシングゲームや、実際の番組を出演者の一人としてVRで楽しめるもの、Leap Motionを使用し宇宙にいるような感覚を楽しめるものなど、年によって様々なアトラクションを企画しています。

その経験から、阿部さんはいろんなことを発見されました。

例えば、有名人はCGより制作が簡単で、しかし体験したお客さんの感動はCGよりも大きいこと。テレビに出ている芸能人の方が、きれいなCGより目の前に出てきたら嬉しいですよね。

また、VRは基本的なノウハウを持った、建築業界やアプリ会社が参入しやすいであろうこと。モデリングやプログラミングが強ければ強いほど、違和感なくVRも導入していけるとうことですね。

VRのデメリットもいくつかあります。

体験型のアトラクションを企画してきたならではですが、安全に歩けるとはいいがたい・子供が使えない・装着の手順が複雑・画質がまだ低い…と、これからの技術発展に期待です。

3人目のプレゼンターはMicrosoft エヴァンジェリストの高橋さん。

Microsoft Hololensを中心に、MicrosoftのMRに関わる取り組みをお話くださいました。

まず驚いたのが、MicrosoftHololensでは、バーチャルでの情報が、現実の状況に影響されること。VRでもARでもない、MRなのです。

どういうことかというと、現実でイスが置いてあるところに、Microsoft Hololensを装着し、バーチャルでぬいぐるみを置いたとすると、きちんと椅子の上に置かれているように表示されるのです。さらに、イスを動かすと、ぬいぐるみの下からイスが移動してしまうので、バーチャルのぬいぐるみは地面に落ちてしまいます。

また、こちらからバーチャルの世界に干渉することもできます。Microsoft Hololensをつけ、目の前の置物に←を書き込んだとします。そうすると、その←はどんな位置から見ても、置物の横にあり続けるのです。その空間に←が書き込まれるので、移動したら←も移動してしまうのではなく、書き込んだその場所に存在し続けます。

まさに想像していたSFの世界ではありませんか!?バーチャルの情報を、あたかも質量のある物質の如く操れるのです。その操作はもちろん、自分の手です。

playstoreとも連携しているので、お馴染みのゲームを遊ぶこともできます。youtubeを見ることもできます。基本的にはMicrosoftのパソコンと変わらないので、windowsも入っています。

ハイテクですねえ~。

先程の秋山さんの所でも書きましたが、現実に近ければ近いほど価値がある、という考えを、かなり実現しているように感じます。

業務用しかなく、一般向けに販売されていないのが残念ですね。

 

さて、パネルディスカッションでは、三者三様の意見が出されました。

VRの課題については、

秋山さん

VR酔い問題、安全基準が制定されてないこと

デジタルメディアは油絵などのハードの媒体に比べ、デバイスの変化が激しいため、きちんと保存していく方法を考えないと蓄積されないこと

阿部さん

まだ投資の段階なので、ビジネスモデルの早急な確率が必要

業務用機器、プロ用の機材がないこと、また、出されたとしても、また新しいバージョンがすぐに出てしまうこと

子供が使用できないこと

 

高橋さん

ハードウェア的にはある程度技術が完成されているので、目標をどこに定めるかが重要

デバイス自体、またデバイスを使う条件どちらにおいてもコストがかかること

 

VR/AR/MR界は先端技術の特にエッジィな部分である分、発展するスピードに制度が追いついていないというか、まだ未成熟な部分が残されていますね。

次に、ビジネス化について。

高橋さん

デバイスに対応するアプリにストアがあり、収益モデルが確立されているか

委託元と開発会社の関係性が確立されるべき

秋山さん

プラットフォームが多様にあるため、コンテンツメーカーがどこで何を作ればいいか、見えていない

今は投資・宣伝の段階で、ビジネスにはなっていない

阿部さん

スマホをハードとした場合、没入観・感動はHMDより格段に下がる→それに消費者がお金を出すか?

2.5次元の観客が大切。ソーシャルゲーム化し、2.5次元ファンとスマホにおける課金がしばらくの収益ではないか

 

アプリで収益を、まだ収益は出る段階ではない、2.5次元と繋げるのが大切…と、なるほど、それぞれの意見が出ました。私としては、2.5次元が一番繋げるのが手っ取り早いかなあと。実際にお金が動きやすい市場でもあると思います。

このセミナー全体で常に浮かび上がってきたのは、VR/AR/MRを、「ツール」としていかに使えるか、ということです。3Dプリンターもそうですが、そこがゴールではなく、それを使ってなにができるか、というのが問題ですね。ちなみに、日本人は「これを使ってなにしてもいいよ」と渡されると、なにもできなくなってしまう国民性らしいですが…まあそこは、海外の視点も参考にしつつ頑張っていきましょう、という感じでしょうか。

単純な感想として、「カッコいい!ハイテク!SF!」というのはありますが、そこからお金が生まれるビジネスにもっていくまで、まだひと悶着、ふた悶着はありそうです…?

ICTCOも、これからVR/AR/MRと関わることがありそうですね?楽しみです~

 - 3DPrint NEWS, Un-Industrial

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