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初めて挑戦!3Dプリンターの模型作りへの利用と出力物の修正加工とは?!

   

3Dプリンターの模型作りへの利用と出力物の修正加工

はじめまして、模型の製造販売をしております藤原と申します。
昨年末に中野プロードウェイ地下の「あッ3Dプリンター屋だッ!!」様より、記事を書くお約束で3DプリンターCUBIS製CBS-150を頂戴いたしました。
以来、「3Dプリンターで出来ることとはなんぞや!?」と考え続けて、
「何か市販品では解決することが出来ない問題で困った人はいないかな?」
あるいは、
「絶対に3Dプリンターでしか出来ないことはないかな?」
と考えつづけた結果、困った人は見つけられなかったのですが、
「絶対に3Dプリンターでしか出来ないこと」
はなんとなく答えが出ました。
それは、「コンピュータで作ったデータを忠実に立体として再現できること」じゃないかなあ、ということです。
3Dプリンターで何かを出力するときには、必ずパソコンで作られたデータが必要です。
人間の手では作ることが出来ない、複雑なものを作ることが出来るのが3Dプリンターの特徴ではないかなあ。
そこで、データで何か面白いものはないかな、と探したら、声の波形なんかどうだろう、と思いつきました。
ところが、これはすでに声の波形を指輪にするというサービスがありまして、すでに先客?がいました。

Encode Ring – 声で作る、世界に一つのオーダーメイドメッセージリング
https://encodering.com/

うーむ、ガッカリ・・・でも気を取り直して、また考えてみます。
結局、仕事で製作しなければならない模型への利用、ということに落ち着きました。
ひねりがなくてすみません・・・

画像1・123D designで製作したスナックの入り口によくあるアーチ型のテント
仕事でスナックのジオラマを製作しなければならなくなりました。
スケールはだいたい1/12です。
入り口にアーチ型のテントを付けて欲しい、というリクエストがあり、よく見ると結構複雑な形状のため早々と手作りするのをあきらめ、3Dプリンターで製作することにしました。
3Dプリントするのはこれで人生3回めの超初心者です。
まずはオートデスク社の123D designでデータを作ります。
大きさは幅80mm、高さ60mm、厚み2mmです。
この大きさは、いただいたCUBISのCBS-150のプリント可能エリアである185mmx140mmx125mに十分収まるサイズです。
作ったデータは3Dプリンターで最もよく使われている形式、stiでエクスポートしておきます。

 


画像2・我が家の「きゅび助」

我が家のこたつの上が定位置のCUBISです。
名前を付けまして、「きゅび助」といいます。
ごらんのとおり、こたつの約半分の面積を専有しますが、思ったよりも小さかったです。
手前にノートパソコンを置いて使うのにちょうどいいです。
このこたつの上で3Dプリントの土台であるヒーテッドベッドの水平合わせをしたので、ここから動かさずにオペレーションしています。
ちなみにプリント中はものすごく振動する時があるので、しっかりと安定した場所に置くのはマストです。
フィラメントは外に出して、ラップの芯に通して立ててます。
一度だけプリント中にフィラメントが折れました。
湿度がフィラメントに悪影響を与えるそうなので、なるべく湿気のそばに置かないようにしています。

画像3・Repetier-Hostのプリンタ設定の接続タブ
CUBISを動かすために、パソコンにドライバーと「Repetier-Host(リピテア・ホスト)」をインストールします。
私は初期設定からほとんど変えていません。

画像4・Repetier-Hostのプリンタ設定のプリント設定タブ
プリント設定の中で変えたのは、「ブリント後にホットエンドを停止」、「プリント後にヒーテッドベッドを停止」にチェックを入れました。
これはプリント後にヒーターが切れる設定です。

画像5・Slic3rの「プリント設定」「レイヤーズ・アンド・ペリメーターズ」タブ
リピテア・ホストに読み込んだstiファイルをスライサーソフト「Slic3r」で3Dプリンターが理解できるデータ形式「Gコード」に変換します。
スライサーの設定もリピテア・ホストから行います。
ここでは、「レイヤーズ・アンド・ペリメーターズ」の「ヴァーチカル・シェルズ」を3にします。
これは造形物の外壁枚数で、2から4の設定値がありますが、値が大きいほど縦方向に対する強度が増します。

 

画像6・Slic3rの「プリント設定」「スカート・アンド・ブリム」タブ
続いて、「スカート・アンド・ブリム」タブにてLoopsを5回に、Skirt height(スカートの階層数)を2レイヤーに、Brim width(プリムの出力幅)を5mmにします。
スカートはフィラメントが安定して出力できるよう、造形物を出力する前に周囲に捨て出力する設定です。
この場合は造形物から10mm離れた場所に捨て出力します。
ブリムは初めてヒーテッド・ベッドにフィラメントを出力する第一階層の定着力を上げるために捨て出力するものですが、こちらは造形物に直接くっつきます。
周囲はスカート、造形物のすぐ横はブリム、という感じです。

画像7・リピテア・ホストに読み込んだ直後のstiファイル
リピテア・ホストに読み込まれたstiファイルは、このように実際のヒーテッド・ベッドの上に乗った状態が視覚的に分かるよう表示されます。
特に何もしなくても、ヒーテッド・ベッドの中央に配置されます。
部品が結合されてない、不完全なstiファイルはエラーとなり読み込めません。

 

画像8・スライサーソフトで変換した後
スライサーでGコードに変換した状態です。
変換すると、予測されるプリント時間も表示されます。
この場合は2時間47分かかると分析されました。
積層ピッチは最も大きい0.3mm、階層数は141層です。
この形状は中が空洞なので、サポート材で埋められます。

 

画像9・出力前のヒーテッド・ベッド
プリントを開始する前に、ヒーテッド・ベッドをキレイにします。
まず前回の造形時のフィラメントの残りを取り除き、濡らしてよく絞ったタオルで拭き、その後乾いたタオルで磨いてピカピカにします。
ヒーテッド・ベッドの下にあるのは、出力開始前に捨て出力されたフィラメントです。

 

画像10・ピカピカに磨かれたヒーテッド・ベッド
ヒーテッド・ベッドの上が汚れたままだと、第一階層が定着しない恐れがあるため、キレイにしておきます。
鏡のようにピカピカにします。
キレイにしているうちに、はやる心も落ち着いてきます。
一つの儀式と言ってもよいでしょう。

 

画像11・ヒーテッド・ベッドに塗るスティックのり
ピカピカにしたら、スティックのりを塗ります。
私はたまたま家にあったトンボのスティックのり、シワなしPIT Gを塗ります。
普通のスティックのりよりもきめ細かくてダマになりにくく、段差がないフラットな状態にすることができます。

 

画像12・ヒーテッド・ベッドにスティックのりを塗った状態
スティックのりは特に何も考えず、ワイルドに塗ります。
きれいに塗ろうとか考えなくても大丈夫です。

 

画像13・エクストルーダーとヒーテッド・ベッドの昇温
スティックのりを塗ったら、ヒーターでエクストルーダー(フィラメントが出てくるノズル)と、ヒーテッド・ベッドを温めます。
PLAのフィラメントを使用しており、設定温度はエクストルーダーが210度、ベッドが70度です。

 

画像14・第一階層が定着した状態
エクストルーダーとヒーテッド・ベッドが設定温度まで上昇したら、いよいよリピテア・ホストの「ジョブを開始」ボタンを押してプリントを開始します。
第一階層が定着するかどうか、ドキドキですがなんとか大丈夫でした。
ここから3時間弱、異常がないかずっと見守ります。

 

画像15・出力途中の造形物
こうして出力しているのを見ていると、「やっぱり手作業ではかなり難しい形状だなあ」と思います。

 

画像16・サポート材の出力状態
外側の2mm厚の部分と、サポート材とでは明らかに密度が違います。
ご覧のように、サポート材は中がスカスカのウエハース状となっております。

 

画像17・出力完了した直後の状態
2時間40分で出力が完了しました。
ここから30分ほど待って、ヒーテッド・ベッドが室温まで冷えたら造形物を取り出します。
特に道具を使わなくとも、手ではがせます。

 

画像18・サポート材を取り除いているところ
カッターや彫刻刀などを使い、サポート材を少しずつ取り除きます。
10分ほどで取り除けました。

 

画像19・アクリサンデー
サボート材を取り除いていると、ところどころ壊れてしまう箇所が出てきます。
壊れてしまったところは、アクリル樹脂用接着剤「アクリサンデー」で接着します。
ガッチリくっつきます。

 

画像20・ニ液混合型ポリウレタン樹脂

さらに造形物を丈夫にするため、レジンと呼ばれる液体ポリウレタン樹脂を表面に塗ります。
実際には「塗る」というよりも「浴びせる」という感じです。

あまり見たことがない方も多いと思いますが、大手家電量販店のホビーコーナーでも販売されており、A液とB液を同じ重量で混ぜ合わせると2分ほどで硬化してカチンカチンになります。

画像21・ボリウレタン樹脂を上からかけた状態

3Dプリンターで出力した造形物は、そのままでは強度に若干不安がありますが、ポリウレタン樹脂で加工したものはかなり硬い表面になり、切削・研磨してサーフェイサーを吹けばプラスティックモデル用の塗料で塗装も可能です。
以上、駆け足で3Dプリンター初心者が造形物を出力するまでをご紹介させていただきましたが、ご参考になりますでしょうか。

Fujiwara

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