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アクセサリーも3Dプリントする時代!今ジュエリー3Dプリントがアツい理由って?

      2016/02/05

世界にひとつのアクセサリーを、3Dプリントで立体出力する―。これはもうSF映画の中だけの話ではありません。高品質な金属3Dプリントも可能になった今、3Dプリントはジュエリー、アクセサリーを製作している多くのデザイナーから注目を浴びています。造形の質が高まるにつれ、伝統的な方法で鋳造されたアクセサリーと3Dプリントされたアクセサリーの見分けも難しくなっているほど。今日は3Dプリンタを使ったアクセサリー製作が今アツい理由、金属で3Dプリントできる造形技術についてなど、皆様からよく寄せられる質問にお答えします!

アクセサリーの3Dプリント、始めるには何が必要?

3Dプリントとひとくちに言っても、その造形技術や素材は様々。フィラメントで造形するものもあれば、粉をベースにしたもの、液状の樹脂やワックスを使ってデザインを成形していくものも。製作したいアクセサリーに合わせた3Dプリント方法や素材を選ぶ必要があります。

18kゴールドで3Dプリントされた ‘Honey Bee Charm’ by Elizabeth Landis

どんな3Dプリント作品にもひとつ共通することがあるとすれば、アクセサリーの3Dプリントにも3Dデータが必要ということ。全ての3Dプリンタは立体のデジタルデータを読み込むことで初めて動き始めます。この3Dデータを製作するのに必要なのが、専用の3Dモデリングソフト。Tinkercad等の無料で始められる初心者向けのソフトからライノセラス等の上級者用ソフトまで、そのバラエティは様々です。3Dモデリング自体どうやって始めたらいいかわからない!という方は、プロの3Dモデラーとのインタビュー「経験ゼロから始めよう!プロが教える3Dモデリングの心構えとは?」を読んでみるのもいいかも。

モデリングは全くできないけれどアクセサリーを3Dプリントしたいという方には、超簡単にアクセサリーをカスタマイズして3Dプリントできるアプリがおすすめです。JweelTwikitなどのサービスを使えばイニシャル入りの指輪、ネックレスなどの製作も即時に完了!とてもシンプルな操作なのでモデリングの知識は全く必要ありません。

プロのジュエリーデザイナーのデザインを、自分用にカスタマイズ。工夫を凝らしたメッセージを入れてみては?

アクセサリーはどうやって3Dプリントされるの?

アクセサリーの3Dプリントによく使われる金属3Dプリント素材であるゴールド、シルバー、ブロンズ、コッパー、真鍮は全て「ロストワックス」と呼ばれる方法で出力されます。伝統的な鋳造技術と最新3Dプリント技術のいいとこ取りをした造形方法とも言えるでしょう。

How to 3D print metal with lost wax technology

コンピュータ上で出来上がった3Dデータをまず形にするのはワックス樹脂と呼ばれる素材。光造形の技術を使い、液状の樹脂をレーザーで硬化させながらアクセサリーの原型を出力します。次にこの原型の周りを石膏で固め、鋳型を形成。石膏の鋳型はその後オーブンに入れて数時間加熱されます。アクセサリーの原型はワックス樹脂で3Dプリントされているため、オーブンの熱により溶け出し鋳型の中に空洞ができます。

鋳型が完成したら内部の空洞に液状に溶解された金属を流し込みます。金属が固形化したら石膏鋳型から取り出して、手で磨き等の仕上げをすれば3Dプリントアクセサリーの完成。

アクセサリーを3Dプリンタでつくる利点って?

このロストワックス技術が、現時点でアクセサリーデザイナーに最も良く使われている3Dプリント方法と言っていいでしょう。伝統的なアクセサリー作りに使われるのと同じ品質の金属を用い、継ぎ目等のないスムーズな表面を持つアクセサリーを3Dプリントできるのがロストワックス技術の最大の利点です。一旦3Dプリントされてしまえば強度も通常の金属製アクセサリーと変わりません。3Dプリント後の仕上げは手作業で行われるため、お好みの仕上げの種類に合わせて少しずつ異なった風合いを表現することもできます。

3Dプリントならではのデザイン。The Rhino Pendant by Genghis Designs

3Dプリント技術がアクセサリーデザイナーにもたらすもう一つの利点は製造を3Dプリンタに任せてデザインに集中できること。3Dデータが出来上がってしまえば、i.materialiseなどの3Dプリントサービスに製造の全工程を任せることができます。家庭用3Dプリンタでは最終製品として耐えうる製品の製造は難しい上素材の選択肢も限られてしまうため、ハイエンドなプロ用3Dプリンタが気軽に使える3Dプリントサービスはアクセサリーデザイナーにとって最適と言えるでしょう。

3Dデータを簡単に編集できるというメリットも3Dプリントならでは。まずはプラスチックでプロトタイプを3Dプリントしてデザインを実際に手に取り、その後3Dデータに手を加えてからお好みの金属で本番の3Dプリントをオーダーすることも可能です。

それでもどれだけ繊細なデザインが3Dプリントで表現できるのか、気になりますよね。非常に細かなディテールを3Dプリントで表現した作品例を見てみましょう。1枚目はピーター・ドンダース氏の「フロッグリング」、2枚目はデスモンド・チャン氏デザインの「ツリー・イン・クロス」ペンダントです。どちらの作品も3Dプリントに使われた素材は真鍮

 真鍮金メッキ仕上げで3Dプリントされた指輪:Frog Ring by Peter Donders.

こちらも真鍮金メッキ仕上げで3Dプリントされたもの。 ‘Tree in a Cross Pendant’ by Desmond Chan.

どんな素材でアクセサリーを3Dプリントできるの?

アクセサリーを3Dプリンタで出力する際、最もよく選ばれている素材はやはり金属。同じ金属素材であっても仕上げのオプションを変えられるので、デザインに合わせて異なる仕上げを選んでみるのも面白いかもしれません。各金属素材で選べる仕上げは以下の通り。

真鍮:ナチュラル、イエロー、ピンク、ブラック

シルバー:グロス、ハイグロス、 サテン、 サンドブラスト、 アンティーク

ゴールド:14カラットまたは18カラット、イエロー、ホワイト、レッドの3色

ブロンズ:ナチュラル、磨き加工

コッパー:ナチュラル、磨き加工

例えばシルバー素材なら、仕上げを変えることでかなり印象が変わります。下の写真、一番左のアンティーク仕上げはくぼんだ部分と浮き上がった部分のコントラストを際立たせるのに最適。古びたレトロ感のある仕上げになります。真ん中のサンドブラストはマットな表面がクールで辛口めのデザインにぴったり。一番右のハイグロスなら艷やかで高級感ある仕上がりになります。

silver-finishes

もちろん金属以外の素材でアクセサリーを3Dプリントしているデザイナーの方も多くいます。ポリアミド(ナイロン)、アルマイド(ポリアミドとアルミの粉のミックス)ラバーライク(伸縮性、柔軟性のある素材)、などプラスチック系素材を用いる方から、セラミック(陶器)を使う方まで様々。

3d-printed-ceramic-jewelry

アクセサリーを3Dプリントする費用は?

最もよく聞かれる質問のひとつですが、実は一概にいくらと言えるものでもありません。それはアクセサリーを3Dプリントする際のお値段は寸法、体積、素材によって大きく変わるため。3Dデータがあればそれをアップロードし、各素材、仕上げでのお見積り額をその場で確認することができます。3Dプリント初心者で3Dデータが手元にないという方は、Thingiverseなどの3Dモデル閲覧サイトから自分のイメージに近いものをダウンロードするのも手です。

例えばブロンズで3Dプリントされたこの指輪、3Dプリント代は5500円ほど。真鍮で同じデザインを出力するとしたら5800円。どちらも意外と高くありませんね。でも同じ指輪をシルバーで造形するとしたら、お値段は1万1000円まで上がります。ちなみに3Dプリント時のコストをなるべく抑えるには、3Dデータにある工夫をするのがコツ。3Dプリント代の賢い節約法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

3d-printed-brass-ring

アクセサリーの3Dプリント、どうやって始めればいい?

まずはどんなアクセサリーデザインにしたいか構想を練りましょう。ショップ上で他のデザイナーの方々が製作しているアクセサリーを見ればインスピレーションが湧くかもしれません。

3Dプリント用の素材についてよく知ることも大切です。どの素材が作りたいデザインに適しているか見極めるには、各素材のデザインガイドを読んでみたり、こちらで素材を比較してみるといいでしょう。これは素材によって出力できる細かさや構造が変わるためです。

次にデザインを3Dモデリングソフト上で立体化します。どのソフトを選んでいいかわからない方のために、人気の3Dモデリングソフト25選をリストにしたのがこちら

デザインが完成したらいよいよ3Dプリント。3Dデータをこちらにアップロードして素材を選び、画面に従って注文に進むだけです。

 - 3D CAD Technology, 3D Print Sample, 3DPrint NEWS , ,

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