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これだけは知っておいて損はない!3Dプリント用データ作成時に防ぎたい5つのミスとは?!

      2015/08/17

「3Dプリントなら何でも簡単に作れる」という世間一般のイメージとは裏腹に、3Dプリント用のデータを作る作業は結構ややこしいものです。しかも皆さんそれぞれ異なるソフトを使ってデザインし、それぞれ異なる素材や3Dプリンタで出力するのだから、問題の解決法も様々。でもよくあるミスを知っておけば、少し作業が楽になるはず。ということで今回は、多くの作品の3Dプリントに共通する「データ作成時に防ぎたい5つのミス」をまとめました。

1.出力用素材のデザインガイドを読んでいない

現在i.materialiseでは17種類(試験提供中のウッドを含めると18種類)の3Dプリント用素材を提供していますが、それぞれの素材は異なる性質を持っています。素材によって出力できるもののスペックが大幅に変わることもしばしば。例えばセラミックポリアミドはどちらも人気の素材ですが、全く同じデザインを両方の素材で出力できるとは限りません。造形可能な最大サイズも素材によって変わります。素材のチョイスによって、基本的なデザインの枠組みが決定されるということを覚えておきましょう。

様々な素材で3Dプリントしたデザイン。素材の特徴を抑えたモデリングが成功の鍵です。

解決法

3Dプリント可能なデータを制作するには、選んだ素材のデザインガイドを守ることが一番大切。できればデザインを始める前にどの素材で出力したいか決めて、ガイドを読んでおくといいでしょう。素材選びで迷ったら、それぞれの特徴を比べることもできます。それぞれの素材で3Dプリントされたものの例が見たい方は、Flickrもチェックしてみてくださいね。

 

2.異なる3Dプリント技術の特徴を知らない

前回のブログでも紹介したように、i.materialiseでは17種の素材全てを同じ方法で3Dプリントしている訳ではありません。造形技術の違いによって、3Dプリントできる構造に大きな違いが出ます。例えば粉末をレーザーで焼き固めていくポリアミドアルマイドラバーライクであれば鎖が連なったような構造も3Dプリント可能ですが、同じものを金属や樹脂で3Dプリントすることはできません。

ポリアミドで3Dプリントされた鎖状のネックレス。Linked Iterance Collier.MGX. by Unellenu

ポリアミドで3Dプリントされた鎖状のネックレス。Linked Iterance Collier.MGX. by Unellenu

 

その差は造形途中のモデルを支える「サポート」と呼ばれる構造にあります。粉をベースとした前者の素材群にはこれが必要ないため、鎖や可動部を含む複雑なデザインも3Dプリント可能です。一方後者の素材を使う造形にはサポートが必要不可欠。細かすぎる箇所のサポートは造形後に取り除くことができないので、可動する部分や鎖状の構造は3Dプリントできないという訳です。

造形中に自動で付けられるサポート構造の例。

造形中に自動で付けられるサポート構造の例。

 

解決法

ここでも鍵となるのは、デザインガイドを事前に読んでおくこと。各素材のデザインガイドはその素材の造形技術の特徴を反映したものになっています。例えば造形方法が同じゴールドシルバー真ちゅうブロンズのデザインガイドに記載してあるのは、ほぼ同じ注意事項。つまりこのうちの1つの素材で造形が可能なら、同じデザインをその他3つの素材でも造形可能ということです。希望している素材がどの出力方法で3Dプリントされるのか知りたい方は、こちらのブログをどうぞ。

 

3.肉厚を素材に合わせて調節していない

肉厚に関しては他のチュートリアル記事でも度々お伝えしていますが、3Dプリントのご注文がキャンセルになってしまう原因として今も一番多いのが、薄すぎる肉厚!それぞれの素材には造形できる最小の肉厚の値が定められており、素材によってその値は変化します。セラミック高精細ステンレススチールではモデルの大きさによって最適な肉厚が変化することもあるので注意しましょう。

肉厚とは一つの面から反対の面までの幅を指します。3DCG作品として完成した3Dモデルであっても、厚み(体積)が全くないペラペラの面は3Dプリントする事ができません。まずはモデルの全ての壁に体積がある(肉厚が0以上である)事を確認しましょう。

また、肉厚は厚ければいいというものでもありません。厚過ぎる肉厚は変形やひびの原因になりがちです。肉厚が厚くなりすぎそうな場合は最低肉厚を少し上回る位の壁を残して、内部を空洞にしておくのがいいでしょう。

内部を空洞にしてモデル底面に穴をあけておけば、肉厚は最適な厚さに保ったまま余分な素材を逃がすことができます。

内部を空洞にしてモデル底面に穴をあけておけば、肉厚は最適な厚さに保ったまま余分な素材を逃がすことができます。

 

解決法

こちらもデザインガイドをじっくり読むことが一番の解決法になります。もっと詳しく肉厚について知りたい方は、こちらのエントリー「3Dプリントに最適な肉厚を知るための7つのポイント」もおすすめ。

 

4.ファイル解像度が低すぎる、または高すぎる

デザインガイドを読んで、素材についてもリサーチしたし、肉厚も大丈夫。さあいざ3Dプリント!という段階になっても、もうひとつ注意しなくてはならないことがあります。それがファイルの解像度。

左がモデリングソフト上のデータ。真ん中は高解像度、右は低解像度でSTL出力したときの例。

左がモデリングソフト上のデータ。真ん中は高解像度、右は低解像度でSTL出力したときの例。

 

CADソフトなどでデザインしたものを出力する際には、3Dプリンタが読み込めるファイル形式に書き出す必要があります。最も一般的な3Dプリント用ファイル形式「STL」を使用する場合、デザインしたものは全て三角の集まりで表現されます。このSTL出力時に設定する解像度の違いが、その後の工程や造形物の品質に影響することがあります。

  • 解像度が低すぎる場合
    STLファイルの解像度が低すぎるとSTLを構成する三角が大きくなり、表面が滑らかに表現できません。そのまま3Dプリントをすると三角っぽさが目立ち、カクカクした印象の仕上がりになってしまいます。ただし、三角っぽい表面をデザインに活かしたいのでわざと解像度を落とすという方もいます。
  • 解像度が高すぎる場合
    逆にSTLファイルの解像度が高すぎる場合は、データサイズも比例して大きくなりがち。3Dプリントの注文時やファイル修正が必要だった場合、処理が重くなって時間がかかってしまうことがよくあります。また高解像度のSTLデータ上では詳細なデザインも表現できますが、それがそのまま3Dプリントできるとは限りません。3Dプリンタのスペックや素材によって造形できる細かさには限りがあるためです。
STLの三角をデザインに生かした例。Wolf ring by Bert de Niel

STLの三角をデザインに生かした例。Wolf ring by Bert de Niel

 

解決法

3DデータをSTLに書き出す際に「交差」の値を0.01mmくらいに設定しておくと理想的な解像度になります。公差とは、元のデータとSTL上のメッシュ(三角の集まり)との差の最大値の事。交差の値を0.01mm以下にしたとしても、3Dプリンタはそこまでの細かさを表現できないので意味がありません。逆に0.01mm以上だと三角が少し目立つ、デコボコした表面になってしまう可能性があります。

 

 5.ソフトにあった3Dプリント用データ準備ができていない

3Dモデリングソフトのチョイスは人によって様々です。始めから3Dプリントを前提にした TinckerCAD や Autodesk123D Design のようなソフトもあれば、主に観賞用3DCGの制作に使われるものもあります。オープンソースの無償ソフトで、モデリングから本格的なレンダリングまで楽しめるBlender、建築模型や鉄道模型の制作者が愛用するSketch Up、デジタルスカルプト (彫刻)を得意とするアーティストに人気のZBrushなど、3Dプリント用のデータ作成に用いられるソフトは様々。でも全てのソフトが元々3Dプリント用のデータを作るために生まれた訳ではありません。

ソフトによって、3Dプリント前にすべき準備は様々。

ソフトによって、3Dプリント前にすべき準備は様々。

 

厚みのないモデル(サーフェスモデル)に肉厚をつけたり、複数あるシェルを統合したり、造形可能サイズに合わせて寸法を調節したり、お使いのソフトによって3Dプリント前にしなければならない様々な工程があることを覚えておきましょう。

37-blender-chess-tutorial-blog

例えばBlenderなら、大きすぎるモデルを3Dプリント用に縮める必要があります。

 

解決法

ソフトによって異なる3Dプリント用のデータ準備工程を知るにはやはり、お使いのソフトのプロに聞くこと。YouTubeで検索すればこんな感じのチュートリアルビデオがたくさん出てきます。チュートリアルの多くは英語ですが、操作の手順を見るだけでも参考になるでしょう。デザインを完了させたら別のソフトを使って3Dプリント用データ準備をしてしまうのも手。Meshmixerなど一部の無料のソフトにも3Dプリント用の自動データ修正機能が備わっています。それでもファイルにエラーが出てしまって3Dプリント用として使えない場合はこちらのエントリー「造形前に必ずチェックしたい、3Dファイルのエラーをなくす10のポイント」も参考になるかもしれません。

無料ソフトMiniMagicsはSTLファイルにエラーのある箇所を指摘してくれます。

無料ソフトMiniMagicsはSTLファイルにエラーのある箇所を指摘してくれます。

 

ここまで書くと3Dプリントのハードルがとても高いように思えてしまいますね。でも3Dモデリングに使うソフトウェアと、出力に用いる素材の特徴を理解していれば基本は大丈夫。i.materialiseで3Dプリントをオーダーする際は、こちらにデータをアップすれば自動的に修正がかかりますし、それでも修正しきれない場合は造形前に有償のデータ修正をリクエストすることもできます。ご注文された全てのデータはエンジニアが一つずつ目で確認しているので、造形不可能と判断された際はどの部分に修正が必要なのかをお伝えします。その他ブログに掲載しているチュートリアル記事も参考に、ご自分に合ったやり方・素材で3Dプリントに挑戦してみましょう!

 - 3D CAD Technology, 3DPrint Machine, 3DPrint NEWS , , ,

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