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Maker Faire Tokyo 2015 で “できたこと”と “できなかったこと”

   

日本大学藝術学部デザイン学科4年生のスギハラです。
今回は Maker Faire Tokyo 2015 への出展についてお伝えしたいと思います。

前回の投稿 –––〈◯◯◯をつくる〉から考える、ものづくりの生活化について

 

出展テーマ「知る、分かつためのものづくり」

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所属学科インタラクションデザイン分野の有志〈nu design interaction〉で、昨年11月の開催に続き2度目の出展をしました。
日常から得た体験を抽出した作品を3点展示し、ものづくりを通すとその感覚は他人にどう伝わるだろう?という興味から、出展テーマを「知る、分かつ」としました。
大量生産・大量消費というものの使われ方ではなく、欲しいものを自分たちでつくって使う、これからのものづくりの在り方への挑戦を、私たちなりに示したいという思いもありました。

 

出展作品

 

glaf
ひっかけるだけ!マスクのためのメガネアタッチメント!

武井 俊三 / Toshizo,TAKEI

 

ah4_4マスクのヒモを耳に掛けた時の痛みや、マスクによるイヤホン装着の煩わしさなど、耳のトラブルを解決するためのプロダクト。
マスクのヒモを、メガネに装着したこのプロダクトにかけることができます。
先日、渋谷のFabcafeで開催された〈TOPPAN × loftwork Ready Make-a-thon〉 の[売れそうカテゴリ]に受賞した作品です。

 

禁を破る
日々の振る舞いを変えるためのスマートフォンケース

杉原 海帆 / Miho,SUGIHARA

 

ah4_3紙を「破る」時の罪悪感と爽快感を生活に取り入れようと試みた作品。
そこに、スマートフォンがひとにもたらす〈依存〉という呪いを物理的+精神的に解く術を見出そうと思い立ち、あえて手間を掛けて封じ、破らなければ再び使用することができない状況をつくるためのケースを考えました。
手持ち無沙汰なときについついいじってしまうスマートフォンに嫌気がさしたら、テンプレートをプリントアウトしてやつを封印してやりましょう。
自らの行為を封じ禁を破った後の感覚は、どんなものでしょうか?

 

はら of ねこ
うちのねこの腹

永島 千寿流 / Chizuru,NAGASHIMA

 

ah4_2制作者の愛情から、飼い猫のお腹の柔らかさを再現し触ってもらうための作品。
「ねこを連れ出すことはできないけれど、とにかく皆に触ってみて欲しい!」というとっても個人的な理由からうまれたもの。
更に、会場で触ってもらうだけでなく、近いものを誰でも簡単に自宅で作ることはできないかと試み、レシピカードを配布しました。

 

できなかったこと

「ぱっと見のアピールと分かりやすさ」

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Maker Faire への出展を自身で企画することは初めてだったので、「Maker Faireとは?」をあまり分かっていなかったなと痛感しました。

Maker Faire の最大の魅力は、あの会場のごちゃまぜ感だと思います。
「動く」「触れる」「使える」の三拍子が揃い、組み合わさることで見るひとの気持ちを掴み、引き込むことができるのだとようやく理解しました。
来場者として会場を周っただけでは得られなかった経験です。

私個人の作品に関してはその点がまるで表現できていなく…。
自分のルーツや制作プロセスのポリシーみたいなものが邪魔をして、素直に「楽しい!」からものをつくることができませんでした。
その点〈ねこの腹〉は、ぱっと見のアピールができていて色んな方がお腹を触っていきましたし、〈マスクのためのメガネアタッチメント〉はコンセプトの分かりやすさから多くのメガネユーザーの共感を呼んでいました。

「分かりやすさ」って何もの?

 

できたこと

「ひとからひとへの思いの伝達」

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現場で〈分かりにくさ〉を補完する術は、そのひとへ直接思いを伝えることに他なりません。
今回の場合は特に、直接のコミュニケーションしかなす術が無かったとも言えますが…。

アートやデザイン、文字や音による表現など色々吸収してきて思いの伝え方を散々考えたり制作してきたのですが、やはり核心的なのは〈ひとからひとへ〉思いを伝達することだと思います。
誰かに話しかけられたり、勧められたり、褒められたりけなされたりするほうが、良くも悪くもインパクトがあるものです。

今回の私個人に至っては〈なけなしのコミュニケーション〉くらいなもんですが、それでも直接思いを伝えることができて良かったと思っていますし、それが好きで〈分かりにくさ〉を表現したとも言えます。
〈分かりにくさ〉の中に潜む思いが伝わると、なかなか趣深い爽快感が得られます。
ごくごく僅かな方からですが「これ(スマートフォンケース)がいいね」「この感覚を忘れちゃだめだよ」というメッセージをいただきました。
生きてて良かったな〜…と思いました。

 

まだまだ、Fab・Maker ムーブメントにはらむ軋轢や、これからのものづくりの在り方は見えてきません。
ドン詰まってなかなか手が動かせなかったのですが、Maker Faire の出展を機に変わることができそうです。

「ものづくりの生活化」を探る日々は続く…。

 

 

《おまけ》

ポリ袋に小麦粉と水を混ぜてできた〈ねこの腹〉、配布していたレシピ通りホットケーキにして制作者がおいしくいただきました。

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 - 3D Print Sample, Un-Industrial

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